甘きゅん【完】
「バカっ!
何言ってんだよ!
遅いとか早いとか。
そんなの全然関係ねぇよ!!」


少し取り乱し気味にそう叫び、


「俺は、おまえなしじゃ生きられねぇんだよ!!」


ベンチのふちで顔をそらすあたしを強引に抱き寄せる。


「おまえだって――…。
俺と同じだろ?」


息のできないほど抱き締められた胸の中で、こっそりと――…


「わかってんだよ…」


耳元で囁かれる小さな声。


「俺と一緒にいたいんだろ?
離れたくなんか、ないんだろ?」
< 3 / 436 >

この作品をシェア

pagetop