甘きゅん【完】
その言葉にうなずきたい自分を抑え


「―…っ。
でも、あたしはもう――…」


温かい腕の中で身をよじると――…


「それじゃあ――…
試してみる?」


そんな――…


「雪奈が、さ?
俺と離れてても大丈夫かどうか」


挑戦的な言葉と


「バカ。
そんな顔するぐらいなら――…。
素直に好きって言えばいいんだよ。
後のことは、すべて俺に任せて…さ?」


スッと目を伏せた綺麗な顔が近づいてきた。


男の子なのに、並の女の子よりも綺麗な肌。


スッと伸びた長いまつげ。


下唇のほうがわずかに厚い、でも全体的には薄めの綺麗な形をした唇の――…


温かさ、柔らかさを想像して、体中が熱くなった時――…
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