いつか君を忘れるまで
「良平くん、ですっけ?」

笑顔を作る女の子に、俺も笑顔を返す。

「そうだよ。ミホちゃん。」

自己紹介の時の記憶を何とか手繰り寄せる。

「名前、覚えててくれたんですね。」

ぱあっと、表情が更に明るくなったのが分かった。

「可愛い子の名前はね。覚えるの得意だから。」

そう言うと彼女は、嬉しそうにはにかんだ。

自分でも歯の浮く様な台詞だとは分かっているが、決して嘘をついているわけではない。

彼女は自己紹介で24歳と言っていたから、俺よりも2つ年上だ。
フワフワの髪に幼い顔立ちが、年齢とのギャップを生んでいた。
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