いつか君を忘れるまで
「えっと、良平くんもGardenで働いているの?」

Gardenとは、手塚が昔バイトしていたレストランの名前だ。

「いや、俺は本屋だよ。」

その答えに、俺の正面辺りに座っていた女の子も話に加わってきた。

「本屋さんなんですか?」

ハッキリとした顔のパーツと、ボブの髪が印象的な子だ。
確か、名前はイズミちゃんだ。

「駅の裏にある商店街の入り口の所だよ。知ってる?」

そんなやり取りをしていると、こちらを見つめる視線に気が付いた。

手塚だ。

分かり易いやつ。

俺は、心の中でそう呟いた。
< 20 / 55 >

この作品をシェア

pagetop