いつか君を忘れるまで
座ったのは、イズミちゃんの横。

そういう所はしっかりしているらしい。

「呼びました?」

隣に座れたのがよっぽど嬉しかったのか、手塚はニコニコしている。

「俺らが本屋で働いてるって話してたの。で、手塚がコッチに来たそうな顔してたから呼んでみた。」

そう言うと、手塚はみるみる顔が赤くなっていった。

「コッチに来たそうって。良平さん!」

やはり俺の考えは当たっていた様だ。
素直な反応が、実に面白い。

「じゃあ、来たくなかったのか?」

意地悪くそう言うと、手塚はグッと言葉に詰まった。
暫しの沈黙が流れる。

「来たかったです。」

その言葉と同時に、俺たち3人は吹き出してしまった。
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