いつか君を忘れるまで
少し前から手塚が、チラチラとこの女の子を見ているのに気が付いていた。
恐らく好意を持っているのだろう。

仕方が無い。

俺は、可愛い後輩の為に、一肌脱ぐ事にした。

「Gardenで働いてたのは、あそこに居る『手塚』ってヤツ。今はアイツも本屋で、俺はその先輩。」

その会話が聞こえたのか、不意に名前を呼ばれ、こちらに視線を送っていた手塚は目を丸めているのが分かった。

俺は、無言で手招きをする。

手塚は、一瞬戸惑う様な仕草をしたが、飲み物を掴んで席を移動して来た。
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