いつか君を忘れるまで
店長と俺と手塚という後輩
くわあ、と口の中で欠伸を押し殺すと、俺は追加が入ったばかりの小説を棚に並べ始めた。

「深夜のコンビニのバイト明け?」

その声に顔を上げると、優しく微笑みながら店長が立っていた。

17歳の時、この本屋のバイトの面接を受けてからだから、随分昔からお世話になっている。

カッターシャツにVネックのベストと言うスタイルは、ずっと変わらない彼のこだわりだ。

「あ、すんません。仕事はちゃんとやりますから。」

俺はそう言うと、ペコリと頭を下げた。
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