いつか君を忘れるまで
店長はにっこり微笑むと、俺の肩に手を置いた。

「君が仕事を疎かにする様な人間じゃない事ぐらい、分かっているよ。」

俺は、何だか照れ臭くなって、頭を掻いた。

「でも、本当に正社員になる気は無いのか?」

手を後ろに組み直すと、店長はそう続ける。

俺は、ゆっくりと首を横に振った。

「いや。俺よりももっと働ける奴は5万と居ますって。」

いつもと変わらない俺の返事に、店長は溜め息をついた。

「まあ、考えが変わったら、いつでも言ってくれ。」

もう一度俺の肩をポンと叩くと、店長は事務所へ引っ込んで行った。
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