赤い狼 参





「君!」



「はいぃ!」




凄く必死な顔をして私を見てくるから声が上擦った。



それが少し恥ずかしくて顔を覗き込んでくる男の人から視線を逸らせば




「君、名前は!?」




キラキラと瞳を輝かせて私の顔をもっと見てきた。




「へっ?名…前?」




まさかそこで名前を聞かれるとは思ってなかった私は、体に自然と入っていた力を抜いてしまう。



「そう、名前!」



そう言ってニカッと笑うこの男の人はやっぱり誰かに似ている。



…一体、誰に似てるんだろう?



「名前!」




考え事をしていたら男の人が早く教えてくれと言いたげな目で見てきて、慌てて自分の名前を答える。




「稚春ちゃんか。ぃぃ名前だな。」




すると私の名前を聞いた男の人は柔らかく笑った。




そして




「稚春ちゃんは連の彼女なのか?」




意味が分からない事を聞いてきた。






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