天使のキス。
――なんてノリノリで、目の横にVサインなんて恥ずかしいものを作って、アニメの主人公よろしくキメポーズをとったあたしのブレザーの袖を、沙耶がツンツンと引っ張った。


「きゃ―っ!!
愛里、見て見てっ!!
さっきのイケメン!
同じクラスだよぉぉ!!」


沙耶が指差す教室の中を見ると――…


「あ。
ほんとだ」


さっきあたしとぶつかったイケメンくんが、あちこちでグループのできている騒がしい教室のなか、所在なげに窓際に立って、外の景色を眺めていた。


すご…
たったそれだけのことなのに、絵になるなぁ。


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