天使のキス。
「相手に好きになってほしいからする努力。
相手に好きだと、自分の気持ちを包み隠さず伝える勇気。
そのどれもが、愛里ちゃんの素晴らしい財産になる」


「…でも…
どうすればいいの?」


具体的なことは何も教えてくれないじいじに対して、焦りが浮かぶ。


「じいじ!
教えてよ!!」


でも、それに対してじいじの答えは――…


「まずは、愛里ちゃんが探してみなさい。
その過程が、愛里ちゃんをもっともっと素敵な女性へと成長させてくれるよ」


そんな、雑誌の投稿記事に対するアドバイスよりも中身のない、あたしに全面的に委ねるようなことだった。


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