天使のキス。
その沈黙に耐えかねて、あたしは「ど…どうって言われても…」


おどおどと、言葉を口にした。


そんなあたしの様子を、健ちゃんは長い間ジッと、それも真剣に眺めていたのだけど。


「ふぅぅぅ…」


細く長い息を吐き出すと、おもむろにあたしの手首から手を離し、あたしの手から瓶を取り上げて、


“しゅっ”


甘い霧を空中に、そしてあたしの首元に吹き付けた。

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