天使のキス。
「愛里と悠をモデルにした小説の題名」


そう言った健ちゃんの顔に笑みが戻る。


「…え?」


健ちゃんの変化に戸惑うあたしに


「あー…
安直すぎって笑ったな?
このやろ…」


そう言って健ちゃんは、あたしの首に腕をまきつけて、プロレス技をかけてきたりしたけど――…


ねぇ、健ちゃん。


あたし、全然笑ってなかったよ?


あたしが悠のことを“天使みたい”って表現したから――…


健ちゃんは安直に“天使のキス”って題名をつけたなんて――…


これっぽっちも、思ってなかったよ。

< 204 / 921 >

この作品をシェア

pagetop