天使のキス。
そんなあたしに。
もはや天使にしか見えない坊ちゃんは――…


「ひどいよ・・・。
ひどいよ、愛里ちゃん・・・。
僕のお腹をぶつなんて。
僕はただ、挨拶をしようとしただけなのに・・・。
僕海外生活長いから、つい向こうでのくせがでただけなのに・・・」


ポロポロと透明の丸い粒を流しながら、上目遣いで切々と訴えた。


そんな儚げな様子を見ていたら、どっちが悪いの、悪くないのって――…


「ごめんね。
ごめんね。
あたしが悪かったよ」


そう、黒いものも白くなるのです。

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