天使のキス。
た…た…確かに、そうだけど。


五十嵐くんの言葉は、めちゃくちゃひどかったけど。


でもさ?


命だよ?


沙耶のお腹にいるのは、新しい命…


沙耶と五十嵐くんの赤ちゃんなんだよ?


もうちょっと、ゆっくり時間をかけて考えようよ。


沙耶にそう言いたかったけど、頭から湯気がでるほど怒ってる沙耶に声をかけることはできなかった。


怒りに任せて、あてもなく足早に歩く沙耶。


置いていかれないように小走り気味のあたし。


“やっと沙耶に追いついた”


そう思った赤信号の先――…


あたしは、そこで、悠を見つけた。

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