天使のキス。
あたし、うまくごまかせそうにないよ。


ねぇ、沙耶。
健ちゃんに言ってもいい?


そんな気持ちで沙耶を見上げると、沙耶はすっかりソッポを向いて、無視を決め込んでいる。


うっ…
どうしよう。


言っちゃまずい雰囲気だし。


とりあえず…
風邪ってことにでもしとく?


頭の中でいろいろと考えて黙っていると――…


「お大事に」


そんな空気を察したのか、妙に感のいい健ちゃんは、きびすを返した。
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