天使のキス。
「あ…
健ちゃん。
気をつけて帰ってね」


よかった。


ホッと胸を撫で下ろしたあたしの腕を掴み、健ちゃんはあたしを病院の入り口付近まで連れて行く。


「なに?
なに?」


取り調べ?


でも、あたし。
沙耶のことを勝手に言えないよ。


沙耶の方を見ながらおろおろするあたし。


そのあたしに――…


マスクで覆った口元を更に手で覆い隠しながら、健ちゃんは言った。


「愛里。
今から言う俺の話。
落ち着いてよく聞け」


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