天使のキス。
昨日までの幸せが嘘のようで、あたしは自分の足元から、幸せがガラガラと音をたてて崩れていくのを感じた。


どうしよう。


足がガクガク震えて…
立っていられない。


ふらつくあたしを、健ちゃんが、腕を掴んで支えてくれる。


「大丈夫か?
愛里…
あっちに行って――…」


そんな健ちゃんの声が、一瞬止まった。


そして、次の瞬間には、悲鳴のような短い叫び声に変わる。


…え?
何?
どうしたの?
健ちゃん?
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