天使のキス。
こんなに大勢の女の子達の気持ちをわしづかみにする悠を目の当たりにして、気持ちが一気にペシャンコになる。


うぅっ…


やっぱり、あたしじゃ無理なんだよ。


もともとつり合いなんて、とれてなかったしね。


あたしと悠。


もう、諦めて帰ろうかな…。


とぼとぼと、来た道を引き返そうとしたあたしの後ろで


「あれ?
愛里…ちゃん?」


かわいらしい声が聞こえた。


その声に振り返ると――…


悠と同じテニスウェアに身を包んだ隼人くんと昴くんが、ラケットを肩に乗せながら立っていた。

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