天使のキス。
これは大変っ。


早く誤解をとかないと。


焦って口を開きかけたあたしの前で、隼人くんは無邪気な声で話し続ける。


「愛里ちゃん、悠に会いに来たの?
悠なら、そこのコートにいるよ。
もうすぐ試合終わるんじゃない?
あー、そうそう。
最近の悠って、変でさぁ」


うっ、これじゃあ、あたしが口を挟む隙がない。


「せっかく感情を出すようになったと思ったら、急に元に戻ってさ。
まぁ、戻るならまだいいけど。
ん―…、前よりひどくなった感じ。
だってさ、あの悠が。
作り笑いもしないんだよ?
愛里ちゃんも、おかしいと思わない?」


隼人くんは、あたしに同意を求めるように小首をかしげた。
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