天使のキス。
「あ、健ちゃんは――…。
あたしの横に座ってた男の子は、あたしと同じで付き添いだよ。
沙耶っていう友達が、学校で倒れて。
本当だよ?
もう一人、男の子も一緒だったんだけど。
昴くんが見た時は、たまたまいなかった時みたい」


「へぇ、よくできた作り話だね」


昴くんは、あたしの言う事を信用しようとしない。


「よくできた作り話って…。
仕方ないじゃん。
だって、本当のことだもん」


信用されないと、つい人って、ムクれてしまう。


ぶーっと、唇を突き出したあたしを、昴くんは疑いの目で見つめた。


「信用できないな」


でも、何もやましい事のないあたしは、黙って昴くんを睨み返した。
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