モデル同士の恋
「ため息もつきたくなるわよ。
自覚なしって怖いわ。」

自覚?


美月…

あたしにもわかるように説明して欲しいよっ。


「自覚ってなんの自覚?」
美月はしまった、という顔をして、
夏希に助けを求める。


「ま、まあ色々!
ねぇ美月!」

「うん、色々よ。」

何その色々って。

まったく。

「それより結衣は颯太と喧嘩でもした?」

美月は無理矢理話を変える。

ってか、

「なんでわかるの!?」

「結衣が早起きした。
イコール起こしてくれる人がいなかった。

でしょ?」

確かに、ね。


まあそうだけどさ。


うん。


「そういうことね!
あー、これでスッキリした!」

ふたりしてさっきからひどいことばっかり言ってるじゃん!


もう…


「それで?
今度の喧嘩の理由は?」

「知らない。
なんかよくわかんない。」
ほんと。

なんで喧嘩になんかなったんだろ…


「それで?
結衣は颯太から連絡なくて落ち込んでるのね?」

「うん…まあ少し…」

実際はかなり、だけど。


言いたくない。


「ってかなんで結衣はいっつも自分から謝らないわけ!?」


うわっ。

夏希痛いとこついてくるなあ…


「わ、わかんない。」


「わかんないって何!
わかんないって。」

わかんないものはわかんないの!


心の中では叫んでみるけどこれを言ったところで多分何も変わんない。


うん。

やめとこう…



だからといって、
他に説明のしようがないから
黙ったまま少しだけ下を向く。

ふぅ。


なんでこうなっちゃったんだろ。

< 289 / 451 >

この作品をシェア

pagetop