モデル同士の恋
確か、前にもこんなことがあった気がする。
あの時は結局俺が折れて死にかけたんだよな…
「ね、お願い!」
手を顔の前に持ってきておねがいのポーズを作る結衣。
「…仕方ない」
結衣のお願いに、やっぱり俺は弱いみたいだ。
「やたっ!
いっちばん怖いの乗ろうね!」
そう言って手を叩いて笑う結衣。
こいつわざと言ってやがる。
「死ぬから!」
「死なないしー」
「無・理・だ!」
「余裕余裕!
あ、ほらそろそろ着くよー」
結衣は遊園地の観覧車を指さした。
うっ…
観覧車を見ただけで吐き気が…
こんなんで俺、今日一日乗り越えられんのか?
そんな俺の心中など知らずに楽しみだねーと無邪気にはしゃぐ結衣。
「…はぁ」
俺は結衣に聞こえないように静かにため息をついた。