モデル同士の恋
「おっはよー!!
遅いよ主役さんっ」



「ごめんごめん。
このひと起こすの遅くてー。」



「あら、使えないわね。」



「ほんとつかえなーい。」



近所のおばさんたちがするような会話を
結衣と夏希ふたりが再現している。




「悪かったな。」


って…俺謝る必要あるのかよ!


自分で起きればいい話じゃねぇか。


と心の中で訴えるもその言葉を口にすることは出来ずじまい。




気づけば完全に女たちのペースにどっぷりつかってしまっている。




「はいはい。
お芝居はここまでにして、入りましょ?」


『はーい。』


…幼稚園の遠足を見ている気分だ。



張り切って手を挙げる結衣の横顔は年齢が上がったにも関わらず、
昔と全然変わらない気がした。



「颯太ー、置いてくよー。はやくはやく!」

前を見ればもうみんなは歩き始めていた。



「はいはい。」

俺も追い付くよう小走りでみんなのもとへと急いだ。

< 366 / 451 >

この作品をシェア

pagetop