嘘婚―ウソコン―
「…なるほどな」

千広の戸籍に目を通して、園子の話を聞いた砂野が言った。

「彼女は見知らぬ男と夫婦にさせられてしまった。

会ったこともなければ見たこともない謎の男と」

「とりあえず、その“周陽平”とかって言う人を調べて欲しいの。

それで、どうして千広と勝手に夫婦になったのか聞きたい」

園子は麦茶を口に含んだ。

「わかった、調べよう。

明後日、彼女をここに呼んでくれるように言ってくれるか?

15時にくるように、彼女に言ってくれ」

そう言った砂野に、
「わかった」

園子は首を縦に振ってうなずいた。


携帯電話の着信音に、千広は閉じていた目を開けた。

誰だろうか?
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