嘘婚―ウソコン―
何で笑われたのだろう。

突然笑った陽平に、千広は戸惑った。

一体何がおかしいのだろう。

千広は訳がわからない。

気味が悪い。

千広が怪訝な顔をしているのに対して、陽平は1人だけ笑っている。

陽平の口が開いて、
「ヒロはさ、赤い糸って信じる?」

いきなりそんなことを言われた。

「はっ…?」

何でそんな話を出されたのか、千広はますます訳がわからなくなった。

赤い糸って、運命の人と繋がっていると言うあの話だろうか?

どうして今そんな話をする必要があるのだろう。

そもそも、そんな話を出した陽平の意図がわからない。

「とりあえず、答えて。

信じるか信じないか」

急かすように陽平が言った。
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