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* * * * * 


あぁ、どうしてこうなっちゃうんだろう。


私はただ、昔みたいに奏人の隣で、あのキラキラした顔を見たかっただけなのに。
星の光を受けて輝くその目を見たかっただけなのに。


「…っく…うぅ…もうやだ…。」


会いたいのに会えない。
奏人の実習も明日で最終日。
明日の夜の最終電車で奏人はまた、ここを離れてしまう。
冬には帰ってこないかもしれない。
もしかしたら…卒業するまでの1年半、帰ってこないかもしれない。


「…会いたい…よ…奏人っ…。」


どうして昔の私は〝幼馴染〟のままでいいなんていう選択が出来たんだろう。
言わないでいればいるほど想いは募って、苦しくなる。
でも言ってしまうことのリスクが見えないほど、若くはなくなる。


同じ想いだったらいいけれど、違う想いだったら…
私の想いは砕け散るしかない。
それが怖くて甘えてた、〝幼馴染〟の絆に。
その絆が脆弱になっていくのを見つめながら。


「怖い…奏人が幼馴染でさえなくなっちゃうの…怖い…。」


だってもう、それしか残されてない。
〝恋人〟になんてなれない。
だったら〝幼馴染〟でいるしかないじゃん。


そう思った矢先だった。
ケータイがぶるぶると震え出す。

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