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風が冷たい。
10月の後半ともなるともうこのあたりは冬の気温に近い。
もっとちゃんと着こんでくれば良かった。


「奏人っ…!奏人ー!」


田舎の灯りの少なさを呪いたくなる。
道が暗い。


「かーなーとー!」


叫んだら近所迷惑なことは分かっているけど、今はそんなこと気にしていられない。


「奏人ぉ!」















「そんなに息切らして走ってこなくても良かったのに。」

「かな…と…?」

「ちゃんといるよ。こんなに早く来てくれてありがとう。」


優しく笑う、いつもの奏人がそこにいた。


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