7 STARS
「で、どれなの北斗七星?」

「あれです。あちらの方角に7つ光る星…ひしゃくのように。見つかりますか?」

「あーあれか!分かった分かった!なるほどねぇ…日本であんまりその…有名な星って見えないのかと思ってた。」

「そんなことありませんよ。意外と見えます。
それに冬は本当に星が良く見えるんですよ。
ほら、双子座、牡牛座なんかも見えます。」

「えぇー!?どれどれ!?」

「向こうに光る明るい星、分かりますか?」

「ん、どれ?」

「あれです、あれ。」

「…分かんない。」

「…近付いても、避けない、ですか?」

「へ?」

「この前のような体勢になっても良ければお教えできますが。」

「だ、大丈夫!心の準備した!」

「では…。」


すっとあたしの横に寄り添う夏原。
…ほっぺはくっつかないくらいの距離を取ってくれている。


「この目線からですと…そうですね、私の指差す先です。」

「あ、あれ?」


あたしはぐるっと横を向いた。


「…っ…!」

「…どうしました?」

「ごめっ…今のはあたしが悪い!」

「…?何がです?」

「夏原は気にしないで大丈夫!オッケー!あの星が何?」

「え…あ、あれがレグルスという星で、その右の方にボルックスとカストルという2つの光の強い星があります。」

「う…うん、あ、あれだ!大丈夫!」

「そこを起点として二つにこう線を引く感じで繋がれた星を双子座と呼んでいます。」

「ちょ、もう1回線引いて!」

「ですからこうです。」

「早いってば!ゆっくり。」

「こ、こうです。」

「ん?あ…待ってよ…あーあれだ!分かった分かった!」


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