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「でも、そういうところも含めて好きですよ、美雪さん。」

「…っ…いきなり名前呼ばないでよっ!」

「何故です?」

「びっくりするから!夏原がいきなり…。」


そこまで言うと、夏原があたしの唇に人差し指をあてた。


「怜、です。」

「は?」

「私の名前は怜です。さ、どうぞ、呼んでみてください。」

「はい?なんであたしが…。」

「私が呼んでほしいからです。
あ、こういうのはどうでしょう?これから夏原、もしくはお前等の呼び方をした場合には罰ゲームを設ける、というのは。」

「はぁー?ていうか罰ゲームなんか嫌!」

「では呼んでください?呼べなければキスしますよ?」

「なっ…!」


バカじゃないの!なにその甘ったるい罰ゲーム!
いい度胸じゃない、夏原…呼んでやるわよ名前くらい!


「名前くらい呼んでやるわよ、怜!」

「はい、なんでしょう?」

「はぁ!?なんでしょうじゃないわよ!あんたが呼べっつーから呼んだのに!」

「あ、今あんたと言いましたね。では罰ゲームです。
今度は準備が必要ではないですか?目を瞑ったらどうです?」

「っ…!ってやめてーっ!あ、夏原っ!オリオン座!超綺麗!」

「え?」


あたしが指差した先。
そこには、あたしが一番初めに覚えた星座、オリオン座。



「オリオン座が綺麗だからそれに免じて…。」

「免じてなしにはしませんよ?
それに今も夏原でしたし。
さぁ、覚悟を決めて潔く目を瞑りなさい。」


…くそっ…夏原…じゃなかった、怜のやつ!
2012年もこいつに振り回されっぱなしの年に…なるかも…。

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