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*最終電車*


「あらー明けたわね。あけましておめでとう。」

「今年もよろしくねぇー。」

「うふふ、こちらこそ。」


…お母さんたちの、会話。


「しかしなぁ…うちの奏人と菜々ちゃんが付き合うようになるとはなぁ…。
菜々ちゃん、いつでも嫁に来ていいんだよ?」

「親父!」

奏人が叫んだけど、そんな言葉を無視して、奏人のお父さんが私に微笑む。


「そうだぞ菜々子。奏人くんなら安心だ。」

「ちょっ…お父さん!」

「それにしても、奏人ったらやるじゃない。いつの間にか菜々ちゃんのこと落としてたなんて!」

「落としたとか言うなよ母さん!」

「二人の結婚式はいつかしらねー?いつやります?」

「ちょっ…お母さん!そんな話っ…!」


〝結婚〟という二文字に顔が熱くなる。
…考えてないことはないけど、奏人と話したことは…ない。


「菜々子、行こう。」

「へ?」


ぐいっと掴まれた腕。
私は奏人を見上げた。


「こんな酔っ払いたち放っておこう。」

「…あ、なるほどね。」


私はコートを羽織って、奏人と一緒に外に出た。


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