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「俺が目覚める時に腕の中にいなかった罰だ。」

「だっ…だって篤さん、いつまでも寝てるからっ…。」

「…お前が抜け出すと寒くて眠れねぇ。」

「え…?」

「もうひと眠りさせろ。」

「えぇ!?」


私をがっちりと抱きしめたまま、篤さんはそっと目を閉じる。
腕の強さは振りほどけないくらい強くて、私の顔はその胸に押しつけられたまま。


頬越しに規則正しい心拍音が聞こえてきて、どこか安心する。
すーすーと寝息も聞こえてきた。


少しだけ腕の力が緩んで、その腕から自分の腕を解放し、そっと篤さんの顔を見つめた。


「…ふふっ…子どもみたい。」


寝顔だけはいつだってあどけない。
いつもの意地悪毒舌な篤さんなんて想像できないほどに。


私はゆっくりとその頬に触れた。


「…寝てれば可愛いのに…なぁ…。」


起きるとどうしてああなっちゃうんだろ…ホント。





「お前…黙って聞いてれば好き放題言いやがって…。」

「え…?」


目は確かに閉じられたままなのに、口だけは…ちゃんと動いてた。
私が焦って視線をきょろきょろ泳がせていると、パッと篤さんの目が開いた。

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