7 STARS
*星よりも好きな人*


「篤さーん!いい加減起きてください!」


1月1日、朝8時。
お雑煮の準備はバッチリ!あとは篤さんが起きるのを待つばかり…なのだけど。


「…篤さん!…ってダメ…だよね…。」


仕事のある日はキチっと起きるくせに、完全に休みとなると本当に起きない。
…仕事のない日はいつまででも寝ていたいタイプのようで…。


「…仕方ないなぁ…。部屋の掃除でも…。」


そう思って、ベッドから離れようとした瞬間、不意に後ろから腕を掴まれた。


「お前、俺の腕から抜け出すなんていい度胸だな。」

「へっ…?あっ…きゃあっ!」


ぐいっと引っ張られ、そのままベッドに倒れ込んだ。
もちろん、倒れ込んだ先には篤さんの胸。


「ああああ篤さん!おっ…起きて…。」

「起きたらお前がいなかったんで連れ戻したまでだ。」

「えっと…あのっ…お雑煮の準備、出来てますっ!」

「あー…だからお前からいい匂いがするわけだ。」


私の首筋に鼻をあてる篤さん。
…首筋にかかる吐息がくすぐったい。


そう思っていたら、首筋に柔らかいものが触れた。
ちゅっと音を立ててそれは離れる。


「…っ…!」


< 233 / 268 >

この作品をシェア

pagetop