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「可愛いって言ったこと、後悔させてやる。」


そう言って、近付いた顔。
唇が熱く触れる。


…誰もいない道。
冷たい空気の中で、唇だけが熱い。
腕から伝わる力強さなんて全然可愛くない。…晴輝は男なんだって、こういうときにちゃんと感じる。


「…晴輝が男なんだって、ちゃんと分かってるよあたし。
キス…晴輝からしてくれるし、そういうときはちゃーんとかっこいいって思ってるから!」

「…っ…お前…いきなりかっこいいとか言うなっ!」

「可愛いって言っても拗ねて、かっこいいって言っても照れるとかなんなわけー?もー面倒くさいっ!」

「お前にだけは面倒くさいとか言われたくない!」

「うわーなんなのよホントに!あ、ねぇねぇ晴輝。」

「…なに?」

「今日見た占いでね、今日は夜に星空を見ると良いでしょうって書いてあったの!
だからどっか遊びに行こうよ。」

「どっかって…どこに?」

「公園でいいよ!星見えればいいから。」

「…分かった。今の時期…ならオリオン座とかちゃんと見えるんじゃね?」

「オリオン座かぁーそれなら分かる!」

「ちゃんと防寒しねぇと夜は辛いぞ?」

「分かってるって!帰ったらお家で少しまったりしよ?」

「…そうだな。」


…あと3ヶ月経てば、晴輝が別の場所に生活の拠点を置くことになる。
それでも、晴輝が安心して帰って来れる場所を、あたしが作るから。


「…願い、叶いますように。流れ星とか流れないかなー?」

「願えば、流れるんじゃねーの?」

「うんっ!」


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