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…ん?晴輝の反応が、ない…?
そう思って顔を上げると、晴輝が頬を染めていた。


「な…なに…?」

「いや…だって梨亜の口からそんな願い…?」

「なによー!似合ってないっていうのは知ってるもん!
でも、あんな不安そうな顔されたら願っちゃうでしょ!
あたしはここにいるから、その…家族とか一緒にいるけど、晴輝は誰もいない場所に行くじゃん。
だから…あ、あたしの分の幸せも分けてあげようと思ったのに、結局あたしのこと願ってるし!バカじゃないのー?」

「バカってなんだよ!俺はっ…。」

「晴輝が辛くなったらいつでも帰ってこれるような場所で在り続けるから。
…だから安心して大丈夫。
いざって時は陽パパ、結構守ってくれるよ?」

「…だから、それも実際はそんな嬉しくないんだって。」

「え、そうなの?」

「お前、昔父さん好きだったじゃん。すげー父さん大好きっ子だったじゃん。
だから、父さんがお前を守るっつーのは…あんま嬉しくない。」

「なぁにー?拗ねてんのー?かーわいいっ!」


晴輝のほっぺを人差し指でつんつんと突っついた。


「やめろって。」

「だーって、晴輝可愛いんだもん!」

「…男が女に可愛いって言われて嬉しいわけねぇだろ。」

「だってだって、拗ねてて可愛いからー!」

「…いい加減にしろよ。」

「え?」


不意に、晴輝に腕を掴まれた。


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