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「ごめんな…。いきなり消えたりして。」

「……。」


いきなりの謝罪に、どんなリアクションを取ればいいのか分からない。
そんな姫乃を察してか、晴彦はそのまま言葉を続けた。


「父親の転勤だったんだ。それでずっと海外にいた。」

「海外?」

「アメリカにな。」

「えっ…じゃあ英語…。」

「話せるよ。日常生活に支障がない程度にはね。」

「すごい…。」

「でも…海外だったからこそ、ヒメには会えない。日本に帰らないと絶対に会えない。
…それは子どもだった俺でも分かってた。
だから…約束を残したんだ。」

「…そっか。」

「でも…1年、2年と経つうちに…薄れていった。
忘れることは無くても、確実に少しずつ、俺の中から『ヒメ』が消えていくのが分かった。だから同じようにヒメの中の俺も消えていくんだろうって思った。」

「…っ…。」


ぽつりぽつりと紡ぎだされる言葉の端々に切なさが混じっているように聞こえて、姫乃は涙を堪えるのに必死だった。


「俺に残ったのは約束と、7歳のヒメの笑顔だけだった。」



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