7 STARS
凄まじい形相で男たちの方へと歩み寄る齊藤。
それに怯んだ左の男は手を離す。


「な…なんだよてめぇ…。」

「なんだじゃねぇよ。一体誰の許可があってこいつに触ってんだ。」

「はぁ？今からお楽しみってとこだったのに邪魔しに来やがって。」

「お前、こういう男が趣味だったのか？かなり趣味悪いぞ。」

「ばっ…バカにしないでください!!そんなわけないじゃないですか!!
こういう類の男が一番嫌いですよ!!大っ嫌い!!」

「だ、そうだが。合意じゃないらしいな、お楽しみってやつは。」

「くっ…。」


正面の男が怯んだのが分かった。
その瞬間、右にいた男が齊藤めがけて殴りこんでくる。


「うわああああ!!」


ドスッ…という鈍い音は男の腹部から聞こえた。
齊藤が見事に一発決めたらしい。
ドサッと地面に倒れる。咳き込む感じからしてかなり深く殴られたようだ。


「正当防衛だ。他二人も殴られたければ殴ってやる。」

「お前…なんなんだよ!!」

「何って…お前たちに名乗る必要ないだろ。こいつ取り返しに来ただけだし。」

「っ…!!」

「今回は見逃してやるけど、今後俺の女に手ぇ出したら許さねぇから覚悟しとけ。」


齊藤の言葉に自分が真っ赤になったのを感じる。
耳まで熱い。爆発してしまいそうだ。
そんな汐織を知ってか知らずか齊藤は


「汐織、行くぞ。」


とだけ言って手を握って歩き出した。

< 71 / 268 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop