群青色の恋     〜私たちの恋愛模様〜

親父はいつもの口調で話し始めた。



「…なぁ。

お前は何で医学部目指すんだ?」



突然の質問。



俺は

一瞬、意味がわからなかった。



親父は静かに口を開く。



「私が医者だから、

親が医者だから目指すのか?」




「いや、そ…いうわけじゃ……」



淡々と質問をされ、
俺はしどろもどろになる。

まっすぐな親父の目を見て、話すことができない。



…そんな俺の様子を見て何かを悟ったのか




「ただ、なんとなく…か」


親父は、小さな声で呟き、俺の右肩をポンッと軽く叩いた。




そしてまた歩き続けた。


< 14 / 270 >

この作品をシェア

pagetop