群青色の恋     〜私たちの恋愛模様〜
…すべてを見透かされたようで
俺はうつ向いた。



…親父の言う通りだ。


別に、特に医者になりたいわけじゃない。



…ただ、親父が医者だから

なんとなく医学部行って、

なんとなく医者になって、


なんとなく…。



そう、いつもの『なんとなく』。



医者って仕事に、誇りを持っている

立派な親父にはわからない。




… なにもない俺の気持ちなんて。



堂々と歩く親父の背中


いつも以上にでっかく見え



俺をイラつかせる。


すっげー頭にきた。
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