群青色の恋     〜私たちの恋愛模様〜
その後、お義母さんも姿を見せて、

「そうよ、涼。瀬南の言う通りよ。まだ、美桜さんとあなたは"教師"と"生徒"の立場なんですから。」


お義母さんの言葉に、渋々納得したらしく、


「わかったよ…」


そう言い、私の方を振り向き、


「終わったらマンションに向かうから。」



言い残して、玄関を出ていった。すぐに車の音が聞こえた。



…よかった。無理矢理連れていかれるかと思った…。

胸を撫でおろす。




「ほら、義姉さんも行くぞ!」



瀬南くんが車のキーを持って、玄関へ向かう。



「…瀬南くんっ!行く…ってどこに?!」



突然の行動に驚く私をしり目に



「──…あのさぁ、何か用事あるんでしょ?あんだけ時計気にしてちゃあー、気付かない方が無理。

…今日だって、無理矢理兄さんに連れてこられたんだろ。」



…時計を気にしてるの見られてたんだ…。


「…ってことだから、母さん、義姉さん送ってくるから。」



お義母さんに向かって手をあげた。


「まぁ、そうだったの?!あの子ったら……。

ごめんなさいね、美桜さん。」



すまなそうな顔をして、お義母さんが謝る。


私は首を振り、『いいえ、対した用ではなかったので…』口ではそう言ったけど、言葉とは裏腹に


「すみません!失礼します!!」


慌てて瀬南くんの後を追って、玄関を出た。



「ほら、乗って。」



瀬南くんが車を玄関先につけてくれる。


ドアを開け、私は乗り込んだ。



「瀬南くん…」


どうしようもなく、泣けてきた…


「泣くのと礼は後でいいから。場所どこだ?」



ぴしゃりと言われ、慌てて涙を拭く。



「あの…、あの、光南公園って知ってる?」


「…あー、ここから一時間半くらいかな。…時間、大丈夫?」



車の時計を見る。



今、三時半過ぎ。



「…うん。お願いします」



「──わかった。」


瀬南くんはアクセルをおもいっきり踏んだ──…。

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