群青色の恋     〜私たちの恋愛模様〜
──…しばらく、頭を抱えしゃがんでた。



「どうしたの?」


上から女の声がした。



「…なんでもない……」


俺はゆっくり立ち上がり、席に向かおうとすると



「わたしが介抱してあげようか?」


女が後ろから俺の腕を握る。





……俺にはこういう女が合うんだな──…




俺は振り向き、女の顔を見る。



……まぁまぁか。




女の方は

「あら。イケメン♪」


ふふん、笑みを浮かべ


「一緒にここを出ましょ」

俺の腕を引っ張る。



これで…あの場所に戻らなくて済む。



入り口へ向かった。







「──…ちょっと!!」


「……あ」

「……誰?」



そんな俺たちの声なんか無視で


「もうっ、遅いよっ!」


俺の腕を掴んでいた女を押し退け(跳ね退け?)て、そいつは俺の隣に収まる。



「ちょっと!なにするのよ!!」


押し退けられた女は、めちゃくちゃ怒ってるみたいだけど…



「ごめんね〜私が悪かったよぉ。仲直りしよ?」



俺の隣で、猫撫で声を出してるこいつは…女の存在を無視して、俺に上目使いしてるし…



「ちょっと!あんた誰よ!」


「あら?ハルぅ、この人だれ〜?」


そう言って顔を俺の肩につける。




…その仕草も可愛いから似合う。女の方も、相手が可愛くて、敵わないと思ったのか



「女連れならそういいなさいよ!!」




今にも噛みつきそうな顔で怒鳴って、その女は立ち去った。



「……………」

「行っちゃったね♪」


さっきの女の姿が消えると同時に

「──…っーか、いつまでくっついてんだよ!離せ!」


俺を掴んでいた腕を払い除ける。


「いった〜い!もうっ、乱暴なんだから!」



「っーか、余計なこと、すんなよ、…大介。」


俺は女の振りをする大介を睨んだ。


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