群青色の恋     〜私たちの恋愛模様〜
「ハル、なかなか戻ってってこないから探しに来たんだよ。


案の定、逆ナンされてたみたいだし〜」



大介の笑ってる顔から歯が溢れる。



いつもの大介だった。



「…オマエ、女に間違えられんの嫌がってたじゃん…」



「自ら演じるのはいいの♪
高校生になってもまだまだ女の子に見えるんだなぁ〜困っちゃう〜♪♪」


ケラケラ笑ってる大介。



そんな俺は…呆れた顔をしていた、と思う。



「……ハルさぁ、好きな人いないの?」



いきなり聞かれた。


いつものおちゃらけた感じでなく、どことなく真剣な声の大介。




「……好きな…?」


「そう。…ハルの心を埋めてくれる人。」




そう言われて、頭に思い浮かんだのは──…



いや、違うだろ。


彼女は自分から俺の元を去ったし、…結婚してる…。



ただ、変な別れをしたから気になってるだけ。



そうだ。


そうに違いない。


「いねぇよ。そんなやつ


俺、特定は作らないし、欲しいと思わない。むしろ女なんか……」



俺は顔をあげ、


「女なんか大っ嫌いなんだよ!!」


──…………。



…なんでこうなるんだよ。


つい出てしまった言葉。



その言葉で



どうして君が、傷付いたような顔をしているの…





「……ごめんなさい。

聞くつもりはなかったんだけど…」




その時、大介の後ろにいた彼女が立ちすくんでいた。
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