【短編】お隣BOY☆
盗人とヒーロー
自分を変えようと心に決めたというのに。



好きになった相手はゲイでした。

なんて…



笑えない。


でも、なんだか泣くこともできない。



まぁ、よかったんだよ。


早いうちに気づいて。


自分に言い聞かせては、また途方にくれた。



それから私は、彼に会わないように心がけた。



ゴミ捨てで何度かばったり出くわすことがあっても、挨拶もしなくなった。



私の恋はあっけなく幕を閉じてしまった。



「ふぅ。今日も疲れた」



学校から帰って、玄関でゴソゴソ鍵を探しているとなぜか部屋から物音が。


「え…」



ドアに耳をあてるとやはり中で音が…


開ける勇気もなくオロオロしていると、隣の奴が帰ってきた。



「何してんの…?」


眉間にしわをよせて聞いてきた。



「べ、別に」


「あ、そう」



あっけなく去って行った。


怖いけど、奴に頼るのも嫌だし。


ガタンッ


部屋から音がした。



あー


もうゲイでも失礼な奴でもいいよ。

助けてー!!



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