薫風-君といた軌跡-





貴子さんの言葉を、
俺自身が俺自身の言葉で
身体に吸収しようとする。


けど、いくら分析しても
その意味はわからなかった。



俺がまだガキだから?


まあ中学を卒業して
ほんのちょっと経ったくらいで
ガキは卒業できないだろうな。




でもそれが悔しい。
本当に悔しい。




彼女と出会った俺は
なんで中学生だったんだ?


そして彼女は
なんで中学生の俺と
付き合ってくれたんだ?


結局違う男んとこに行くなら、
最初から俺じゃなくてもよかっただろ?





今ならどんな暴言でも
はける気がした。


どんな汚い言葉も言えるけど、
それが全部、壁に跳ね返って
自分に返ってくると思うと
それだけで虚しくなった。





彼女が俺に言った
たくさんの言葉。


それすら全て
嘘で薄っぺらいものに
思えて来た。






だけど多分、
俺の記憶の中から
彼女がいなくなる日は来ないんだ。



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