トリップ少女
「もー何なんだろ、外国人からの荷物って・・・私外国人のお友達なんていないんだけどなぁ。」
自分の友達に今まで留学生がいたかを必死に思い出しながら、若菜は荷物を見つけた。
「本当だ・・・差出人名アルスランって書いてある。アルスラン君なんて友達いたかな。」
うーんと頭をひねってもそんな友人は一ミリも知らない。
若菜は意を決して荷物を開けることにした。
「ダンボールがテープで幾重にもガードされてるし。どんだけ大事なものが入ってるのよ!!」
ビリビリと威勢良くテープを剥ぎ取り、包みを開封した。
「ん・・・?何だこれ?指輪・・・?」
仰々しくダンボールに入れられた中身はひとつの指輪だった。