トリップ少女
もう何キロ泳いだかしら?
ひたすら上へ上へ
一直線に蒼い海を潜り抜けて
…まだ外に出られないの!?
若菜はヤキモキしていた
「ねぇミラン、まだ?もう何十分もずっと上向きっぱなしで首は疲れたし、早く空気吸いたい!!」
バカねぇ、と言いたげな目を向けてミランはあきれて言った
「あなた案外根性ないのね。まだ泳ぎ始めてから10分と経ってないわよ」
「えぇっ??ウソでしょ???」
若菜はいつもの癖で左腕をみた、けれども腕時計がついているはずもない
「あれっ?おかしいな…外してないのに」
不審がる若菜に一喝
「あなた正真正銘のばかね!!どの世界に腕時計をつけた人魚がいるのよ!!」
「人魚自体が世界のどこにも存在しないじゃない!!」
若菜も負けじと反論した
ミランははっとして、ちらりとカレンを見た
そして若菜に最大級の侮蔑の視線を投げた