トリップ少女

「あれ何かしら?」




カレンが遠方を指差す



荒れた波になんとか持ちこたえているのは大きな大きな船だった




「あれは…」

若菜は複雑な思いを隠すことが出来ない



「そうよ、あれが物語を動かす船よ」

ミランが何を考えているのか、表情からは全く読み取ることが出来なかった





「ねぇあの船危ないわ!!今にも壊れてしまいそう…助けることは出来ないかしら」



「カレン、近くに行きたい?」


ミランがカレンを誘導しているかのように若菜には思えた



「だって助けなきゃ!人間は泳ぐのが下手なんでしょ?死んでしまうわ!!」



「そうね、死んでしまうわ。でもカレン、今近づくのはあなたが危険よ」



「どうして??」




ミランは無言で船の方向を指差した





大きな崩壊音を立てて船は大破した




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