トリップ少女
ミランと若菜はなるべく多くの乗客を助けては海岸まで運び、という作業を繰り返しながらカレンを探していた
「あの子はどこ行ったのかしらもう!」
ミランがあからさまにイラついている
苛立ちをあらわにするミランを横目に、若菜は一つ不審に思うことがあった
「ねぇミラン…」
「何ようるさいわね!私が今気がたってるの分かってるでしょ!?」
「分かってるけど、私おかしなことに気付いたの…私たちもう100人近く助けているけど、その中に王子様、いた?」
二人は海岸に並べた人を見回した
若い女性やお年寄りはいても、若い男性は見当たらない
「まさかあの子が最初に助けたのって…」
ミランも気がついてしまった
「「王子」」
二人は顔を見合わせ、肩を落とした
「これもシナリオ通りってところかしらね…」
ミランが小さくつぶやいたのを、若菜は聞いていないふりをした