月夜の太陽
『少しは落ち着いた?』

「うん…ありがと」



こんなに泣いたのは初めて。


泣くってこんなに疲れるんだ…。



『ルナは今どうしたいの?』

「…お母様に謝りたい」

『だったら謝りに行っておいでよ。僕はここで待ってるから』



私の手をギュッと握って笑うリオ。


双子で歳も一緒で生まれた時間だって大差ないはずなのに、どうしてリオはこんなにも大人で安心感を与えてくれるんだろう。


歳が変わらないと思えるのは、ディアナが関わっている時だけ。



「お母様たち、まだ談笑中かな?」

『そろそろ自室に戻ってるんじゃないかな』

「じゃあ…自室に行ってみる」

『うん』

「…ここで待っててね?」

『うん、行ってらっしゃい』



リオの笑顔に見送られ、私はお母様のいる部屋へ向かった。






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