月夜の太陽
*****



んっ…


いつの間にか寝ちゃったんだ……。



「あれ…私ソファーの上にいたはずなのに……」



何故かベッドの上にいて、ブランケットがかけられていた。


時計を見ると、まだ夜中の2時で眠ってしまってからはそんなに時間は経っていなかった。



『んっ…おはよ』

「…リオ」

『気分はどう?』



寝起きのリオは目を擦りながら喋っている。


私が体調なんて悪くないことは分かっているはずなのに、ふれてこない。


リオは優しい。


そんなリオの優しさに私の目からはまた涙が溢れ、こぼれ落ちる。



『ルナは泣き虫だなぁ』



笑いながら抱きしめてくれるリオの腕のなかは心地よくて、子供の頃を思い出す。


子供の頃からリオは私よりも心が強くて、泣くのはいつも私。



「お母様ッッに、酷いッッことを言ッッってしまったッッのッッ…」

『うん』



リオは私の背中あやすようにポンポンと軽く叩きながら話を聴いてくれる。





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